このシステムについて
申請・申告内容と元資料(インボイス、パッキングリスト、B/L等)をAIで照合し、転記ミス・資料間の矛盾・不審箇所を提出前に検出するシステムです。 通関業務(NACCSの輸入申告事項登録)を参考にした疑似申告業務を題材としていますが、仕組みは特定業務に依存しません。
ご利用の流れ
アクセスコードでの入室から照合レポートまで、操作は5ステップです。
- 1入室発行されたアクセスコードでログイン※ 閲覧は自由ですが、照合機能の利用にはアクセスコードが必要です。(制限があるため、ご利用は2回まで)
- 2モード選択事前チェック/事後チェックを選ぶ※ 「事前」は申告フォームのデモ体験です。「事後」は輸入申告の照合を実際にお試しいただけます。
- 3書類を投入PDFをアップロード、又は申告フォームへ入力+資料添付※ メール取込み機能も実装済みですが、現時点では独自ドメインを取得していないため未提供となります。
- 4AIが照合複数書類を一枚の検査台に重ね、値を突き合わせる※ 1回の照合は最大300秒です。テスト成功済みの実績から、投入書類は6〜7ページを目安にしてください。
- 5レポート確認食い違いを確認(判読が曖昧な箇所は聞き返し)※ 聞き返し機能は1項目あたり2回が上限です。解決しない場合はレポートの内容でご確認ください。
ご利用をご希望の場合は、企業の方は会社名とご担当者様のお名前を、個人の方はお名前と利用目的を明記のうえ、下記アドレスまでメールにてご連絡ください。アクセスコードを発行いたします。
お問い合わせinfo@toika.jpなぜ作ったか — NACCSギャップ分析
既存の申告システム(NACCS等)は、入力欄数・桁数・コード形式といった形式チェックと、品目コードや担保番号がシステム内DBに存在するかというDB整合性チェックを行います。しかし、入力された値が元資料と合っているか、元資料どうしが矛盾していないかは構造的にチェックできません。
インボイス価格の桁誤りも、通貨コードの取り違えも、数量の転記ミスも、形式が正しい限り素通りします。 このため現行実務には「登録 → 帳票出力 → 印刷 → 人間がインボイス等と目視照合 → 申告送信」という人手工程が残り続けてきました。
本システムは、その「人間の目視照合」工程をAIエージェントが担います。既存システムの再現ではなく、既存システムがやらない側の補完です。
2つの導入アプローチを、1つのエンジンで
本システムは同一の照合エンジンに対して2つの入口(モード)を持ち、それぞれ異なる導入アプローチの提案になっています。
「既存の申請システムにAIチェックを融合すると、こうなる」を見せる組み込み型のリファレンス。 疑似申告フォームに入力し資料を添付すると、登録前に該当フィールドへインラインでエラーを表示して差し戻します。
「既存システムに一切触れなくても、間接的にAIチェックを導入できる」を見せる後付け型。 出力済みの登録帳票PDFと元資料一式をアップロードすると、転記ミスと資料間矛盾を一括チェックしたレポートを返します。
両モードは同一の照合エンジンと同一のレポートUIを共有します。入口が違っても同じ品質のチェックが出る—— 「導入形態は選べる。エンジンは一つでよい」という構成自体が、本プロジェクトのメッセージです。
ハルシネーション三層防御
AIの照合システムで最も危険なのは「読めないものを、それらしく読んでしまう」ことです。本システムは三層で防ぎ、これを信頼性設計の核としています。
| 層 | 仕組み | 防ぐ失敗 |
|---|---|---|
| 第1層 | 照合できない項目は推測せず unverified として明示する | 資料不足の誤魔化し |
| 第2層 | 判読確信度の低い文字は確定せず、候補を添えて clarifications としてユーザーに質問する | 不鮮明文字の誤読 |
| 第3層 | ユーザーの回答も鵜呑みにせず、他の数値・文脈と検算してから受理する(聞き返しループ) | ユーザー側の入力ミス |
ユーザーが確認・入力した値はすべて監査ログに記録され、「この値は誰が・いつ・原本を見て確定したか」という経緯が残ります。
汎用化構想
題材は通関業務ですが、特定システムの再現ではありません。「申請書 + 添付書類 + 照合」という構造を持つ業務—— 行政・金融・保険・法務など——に転用できる汎用リファレンス実装として設計しています。エンジンとレポートUIは業務に依存せず、 照合対象の語彙(項目定義)を差し替えるだけで他分野へ展開できます。
※ ただし照合精度を支える専用ルールは、現時点ではここで一例とする輸入申告業務向けにのみ用意しています。 そのため輸入申告以外のチェックでは正しい結果を保証できませんが、仕組み自体は汎用のため一定の精度でお試しいただけます。
技術スタックと設計ドキュメント
TypeScript(strict)/ Next.js(App Router)/ React / Claude API(PDFを直接読解しJSONで構造化出力)/ データベースは mysql2 接続(本番は MySQL 互換の TiDB Serverless)/ 入力検証は zod。 アップロードしたPDFは AES-256-GCM で暗号化して Vercel Blob(非公開)に保存し、DBにはパスと SHA-256 ハッシュのみを持ちます。 ホスティングは Vercel。UIライブラリは使わず、素のReactとCSS Modulesで構築しています(依存最小化)。